八ヶ岳冬季バリエーション難関ルート八ヶ岳の冬季バリエーションでも難しいのが大同心北西稜。全7ピッチのルートで、終始ほぼ陽にあたらず、Ⅳ級からⅤ級で構成されフリークライミングで登攀ができます。核心は4ピッチ目(Ⅴ)と7ピッチ目(Ⅴ⁺)。雪の状態でも変わり、降雪後は特に難易度が上がります。裏同心ルンゼか大同心稜で取りつきの灌木までいき、1ピッチ目で手こずるようであれば撤収することをお勧めします。1ピッチ目 Ⅳ⁻灌木から見上げたクラック状をピナクルまで上がります。おおむね20m。草付きを進み、岩壁に取りつき1段上がった部分が核心。ここで手こずるようであれば敗退したほうがいいです。核心を越えればⅢ程度となり、ピナクル先にあるハンガーボルト(捨て縄)でピッチを切ります。取りつきの灌木から2ピッチ目 雪稜Ⅱ 80mピナクルから正面に見えるルンゼにいったん下りそのまま進むと右手に北西稜のスカイラインが見えます。いったんピッチを切って、スカイラインの窓に向かって進むとピナクルに捨て縄がありピッチを切れます。写真右のくぼみが窓。右側の岩でピッチを切り、左にトラバースし、奥の岩壁に向かい登ります。3ピッチ目 岩雪稜Ⅲ 雪がないと岩が露出し悪くなります。一か所、とっかかりのない岩を越える部分があり、アックスの打ち込みがポイントとなります。Ⅳピッチ目 Ⅴ 前半は岩稜で手掛かりを探しつつ登ります。登りきるとペツルのハンガーボルトがあり、ここからが核心の後半、垂直の岩と草付きミックスをアックスとアイゼンを頼りに慎重にじわじわ登ります。雪のつき方でダブルアックスかシングルアックスを選びつつ、しっかりとアイゼンを決めながら登ります。15m程ですが、中間はランナーも取れないので繊細なバランスと強靭なメンタルが必要となります。下から見上げるとそうでもないが4ピッチ目終了点から 後半草付きに取りつくバーディー5ピッチ目 Ⅳ⁺4ピッチ目終了点から右にトラバースし目の前のルンゼ状に取りつきます。トラバースは悪いので慎重に。核心は岩壁の中央部のクラック下薄被り。そこを越えれば後は草付きを上がって6ピッチ目へ。6ピッチ目 雪稜70mダケカンバの間を抜けて稜線上にあがると、目の前に大同心の頭が現れます。7ピッチ目 Ⅴ⁺ クライマックスでラスボスの被ったクラック。下から見ると行けそうですが、クラックまで行くとまさに手も足も出なくなります。ジャミングを決めて力で上がり、足が決まれば上がれます。しかし、雪の状況で大きく変わるので、体全体の使い方や力も必要となりテクニカルなピッチとなります。被ったクラックを越えると、もう一段クラックがあり、そこを越えれば最後は草付きを上がり大同心に上がります。終了点はハイマツやピナクルのナチュプロとなるので経験値が必要となります。大同心北西稜は、クライミング技術もですが、アイゼンとアックスをいかに使いこなせているかがポイントとなります。雪山登山やⅣグレードの冬季バリエーションなどでしっかりとアイゼンの使い方や技術を身につけてから登らないと痛い目を見ます。また、凍傷や低体温のリスクも高い場所でありしっかりとした予防と対策ができていないと最悪の結果となります。安易な気持ちで行くべきではないルートですが、登れれば最高の冬季バリエーションとなるのは間違いなしである良いルートです。しっかり準備をして挑戦してください。