今年の冬山は2027年開業10周年記念海外遠征に一緒に行く予定のメンバーとの訓練から始まりした。訓練場所は赤岳南峰リッジ左稜線、文三郎道のトラバースから赤岳の山頂に伸びる4ピッチの岩稜で、難易度はⅢ級ですが岩がもろく荷重をかける前の確認が必要でナチュラルプロテクションがほとんどです。核心は2ピッチ目の岩稜と4ピッチ目のチムニー。4ピッチの登攀後に赤岳南峰山頂お社の裏に出る高度感のあるルートになります。山行のスタート:美濃戸から登山口は有名な美濃戸南沢ルート。早朝6時、気温は-3℃と冬らしい寒さの中、準備運動を済ませて出発しました。最初は、シラビソの森の中を歩く穏やかなコースです。日が昇り、木漏れ日が差し込むと暖かさを感じ、幻想的な景色に癒やされつつ、凍結や積雪の中を慎重に足を運びます。中間地点:行者小屋へ南沢を2時間半ほど進むと行者小屋へ到着します。小屋前の外気温計で気温を確認すると-13℃、この冬一番の寒さでした。見上げた赤岳には雲が被さったり抜けたりと風速が強いことが伺えました。ここから1時間ほど文三郎道を登り南峰リッジに取りつきます。行者小屋からの赤岳、一番右の稜線が南峰リッジ左稜 バリエーションルート:南峰リッジ左稜1ピッチ目は簡単な雪稜歩きですが左稜にのる前の岩場が崩れやすいので慎重に登ります。支点はダケカンバなどでとります。過去にはルンゼからの雪崩で死亡事故も起きているので待機する場所に注意が必要です。2ピッチ目は核心のひとつでもある岩稜、右寄りに登りまが岩は抜けたり崩れたりするので慎重に。支点はピナクルなどの岩で取ります。長めのスリングが多めにあると便利です。3ピッチ目は岩雪稜、中間で1ヶ所支点が取れます。最終ピッチは核心のチムニー、右側の岩に前爪をかけて登ります。チムニーを抜ければ山頂まではもう少し、ノーザイルでも行けますが必要に応じてコンテなどが推奨。チムニー山頂に到着約2~3時間で山頂に到着、風が強い日だったので直ぐに東側の岩陰に移動富士山とアルプスの眺望遠くには富士山・北アルプス槍ヶ岳・南アルプス・御嶽・中央アルプスも見渡せます。特筆すべきは、360℃の眺望で日本の主要アルプス全てが見える美しさ。凛とした姿でそびえ立つ様子は、息をのむほどです。下山はコンテ訓練休憩もつかの間、下山を開始。冬山は天気の変化が激しく寒いので体が冷えないように行動するのが重要です。下山はお互いをフォローしあえるようにコンテニュアンスの練習。ロープで繋がり同時行動の訓練を行いました。安全地帯でもある行者小屋についたらホッと一息、登攀装備を外して本当の休憩ができます。我慢したお腹に暖かい飲み物とおいしいご飯がしみるひと時。生きててよかった感じる一瞬です。装備を整えて美濃戸まで1時間半の道のりを登攀の思い出に浸りながら下山します。赤岳南峰リッジ左稜は、適度な挑戦と最高の景色を与えてくれる、八ヶ岳バリエーション入門に最適なルートです。しっかり基礎を磨いて難関ルートに挑戦していきましょう。