バリエーション初めは「阿弥陀北稜」FunTrails救護チームの冬季訓練、今年は阿弥陀北稜へ。冬季バリエーションの登竜門、最初に登るルートとして知られている阿弥陀北稜。ルートファインディング、急峻な雪稜の登降、岩稜、ナイフリッジとアイゼン及びピッケルの本当の使い方を知ることができるルートです。雪山の一般道で救護や救助などを行うには、一つ上の技術があることで安全管理も高まります。冬季バリエーション初級ではありますが、多くの課題がでてくる阿弥陀北稜ははたして?山行のスタート:美濃戸から2日前に15cmほどの降雪があり林道も雪に覆われていました。ここ数年は雪も少なく、今年も2日前に降るまでまとまった降雪はありませんでした。そのような時に気を付けなければいけないのが雪崩です。八ヶ岳は朝晩の温度差が激しく、雪が昼に溶け、朝方の気温で凍ります。その上にサラサラの雪が積もれば雪崩のリスクは高まります。今回はこの条件に当てはまるのでビーコン、シャベル、ゾンデは必須としました。中間地点:行者小屋へ南沢を2時間ほど進み行者小屋へ到着。快晴、無風、気温-10度とThe Dayとなりました。阿弥陀北稜は行者小屋を起点に尾根への取りつきルートが多数あります。阿弥陀一般道から北稜に取りつくルートは一般登山者が迷い込み数年に一度は遭難が発生します。王道の取りつきは中岳沢を上がりJP(ジャンクションピーク)に直に上がるルートですが、中岳沢は過去に雪崩死亡遭難があった地形、雪崩のリスクが高まります。今回は雪崩を避けるため阿弥陀一般道から手前の尾根をあがりJPに合流するルートとしました。ジャンクションピーク手前の急登、アックスのブレードをしっかり使います。 バリエーションルート:阿弥陀北稜ルートは第1岩峰、第2岩峰に分かれ、第1岩峰は急峻な雪稜になります。灌木とアックスをうまく使えばノーザイルでも登れますが、雪の状況などでザイルをだしてください。ピッケルは1本でもいいですが、2本あればなおいいです。約2ピッチで第2岩峰に取りつきにつきます。JPから第1岩峰へ核心は第2岩峰阿弥陀北稜の核心は第2岩峰1ピッチ目の出だしになります。(カバー写真)Ⅲ級程度ですが高度感のある場所で体を振るムーブが入るので冬手袋だと怖さを感じる部分。足を載せる場所がしっかりしているので足を頼りに登ります。1ピッチ目前半は岩で後半は雪稜となります。2ピッチ目前半は岩ですがアックスを使って登ることもできます。階段状に足場があるので落ち着いて登りましょう。後半はナイフリッジ。雪の状況で大きく変わります。そして案外大変なのが2ピッチ目の終了点。ハイマツで取れますが埋まっていることもあるので堀だしが必要。ナイフリッジ阿弥陀岳山頂に到着登攀終了点から山頂はすぐそこ。最後の急登を登ります。赤岳、富士山など有名峰が360℃で見渡せる遠くには富士山・北アルプス槍ヶ岳・後立山・南アルプス・御嶽・中央アルプス・雨飾山も見渡せます。特筆すべきは、赤岳。阿弥陀岳からの赤岳は私の好きな景色の一つです。下山は阿弥陀岳一般道阿弥陀岳からの下山は北稜、一般道とありますが、実は一般道の下山での滑落が結構発生しています。急登は登りはアックスと前爪で比較的登りやすいですが、下りは前向きで下っている際に滑るなどして滑落します。急と感じたら後ろ向きでしっかりとアックスと前爪を刺しながら降りてください。阿弥陀-中岳のコルからは、中岳沢で降りるか、文三郎で降りるか迷うところです。先に記述しましたが、中岳沢は雪崩が起きる場所なので雪質や降雪量などの状態が把握できない方は降りないでください。また、雪崩のリスクが少しでもある場合はビーコンを持った状態で降りて下さい。安全地帯でもある行者小屋についたらホッと一息、登攀装備を外して我慢したお腹に暖かい飲み物とおいしいご飯で至福の時。生きててよかった感じる一瞬です。装備を整えながら仲間とクライミングの余韻に浸ります。阿弥陀岳北稜は、岩及び雪のレベルアップに必要な課題を与えてくれる最適なルートです。セカンドで登れた方は次はリードと、自身のリードトレーニングとしても最適なルートですので安全第一に挑戦してください。